はくちょう座の一等星デネブのすぐ北にある有名なHII領域。この写真では新しいことをいろいろと試しているので、まあ習作といったところ。
- EF300mm + ASI1600による高分解能での撮影。現有機材のラインアップでは大型の散光星雲を撮るのにちょうどいい写野長辺2~3°、FOVpp=2~3″ あたりが抜けているのだが、DrizzleとBlueXterminatorというデジタルの支援があれば現有機材の組み合わせでそのあたりが狙えるかもと思って試してみた。結果、明るめの星の描写に問題はあるものの使い物にならないレベルではなく、星雲や微光星の描写は大丈夫だと思う。輝星については何か対策を考えるとして、しばらく秋の大型の星雲をこのシステムで撮って遊んでみよう。
- 恒星の色の再現。HOO合成ではRにHα、GにOIIIを割り当て、BはOIIIを基本としてHβの代用として少しHαを混ぜる。これで水素と酸素で光っている星雲の描写としてはまあ自然なのだが、恒星の色がどうしてもおかしくなる。そもそも恒星は黒体輻射で光っているから減衰を無視すれば2つの波長での強度比が分かれば色が再現できるはずなので(二色型放射温度計と同じ)、HαとOIIIから恒星の色を再現するブレンドを試作して、恒星部分のみ置換してみた。これで恒星の色はだいぶ自然になったと思う。
2024/8/8 0:25-8/9 4:10, Hyogo pref. south. AM5 + EF 300mm f2.8 IS USM + ASI1600MM-cool, guided by LM-75JC + ASI120MM, controlled by ASI air Plus. Hα with Baader 7nm filter for 27 x 5min, OIII with 7nm Baader filter for 42 x 5min, total exp. 5h45m. Nebula : R=Hα, G=OIII, B=0.8*OIII+0.2*Hα. Star : R=Hα, G=0.1*Hα+0.9*OIII, B=OIII-0.2*Hα. BXT applied.