おうし座の超新星残骸。おうし座β星(ぎょしゃ座の五角形の星でもある)のすぐ東に位置する。3000光年の彼方にある直径140光年のガス球で、10万年前の超新星爆発の名残である。この写真だと右向きのマンボウっぽく見える。
この天体、視直径3°とそこそこ大きいがとにかく淡い。肉眼で全く見えないのは当然として、21世紀のデジタル機材ですらその姿を捉えるのに苦労する。普通、天体を導入する際にカメラの感度設定を最高にして10秒ほど露光し対象を直接確認するというテクニックを多用するのだが、Simeis147は10秒程度だと影も形も見えず、仕方なく周囲の星の配列を見ながら狙いをつけることになる。間違いなく今まで撮った天体の中で最も淡い。
共通:SWAT350, sub 1min
Hα:Sigma 180mmF2.8 + ASI1600MM-cool、1081subs、2020/10/24-11/13、兵庫県西部
RGB:Star71II (350mm F4.9) + EOS6Dmod、48subs、2020/11/15、岡山県東部
Hαの輝度に色を乗せる手法(Hα-RGB合成)を使っているが、RGBを撮るときに少し狙いを外した。そのため画面の上部1割くらいがモノクロになっているのだが、言われるまで気づかない人がほとんどだと思うのでこれで良しとしよう。
総露出時間は19h弱に及ぶ。自分の標準的な撮影ペースは一晩あたり2天体だが、この天体については9夜もかけた。それでもまだ十分とは言い難いが、まぁもういいかな、と言うか、正直飽きたので…。画像処理が難しくてどうにもノイズが多く、2020/11/28に再処理したが少しはましになっただろうか。