りょうけん座の銀河、味気ない名前ではM63とかNGC5055とか。距離2500万光年。比較的大型の銀河だが、それでも長辺0.2°ほどに過ぎない。この銀河は以前にも撮ったことがあるが、渦巻きの構造がよく見えるのでお気に入りである。
撮影したシステム(C11+ATLUX)は、およそ1年の休止期間を経てこれが復帰初戦となる。昨年に赤道儀が壊れたのだが、この度ようやく修理から帰ってきたのだ。銀河団を撮るなら小さいシステムでよいが、銀河単体みたいな小さいものを相手にするとなるとC11に限る。銀河だらけの春の夜空はC11にとって絶好の漁場だ。
2021/4/9-10 @岡山県北西部。C11 with SCT Corrector LF + ASI1600MM-cool, ATLUX, OAG with LodestarX2. Baader Clear, RGB filters.
L:10s @Gain300 × 1500枚 →4h強、低輝度部:FWHM<8pxの1200枚、中輝度部:FWHM<6pxの230枚、高輝度部:FWHM<5pxの30枚。RGB:3min @Gain100 × 18枚 →54分。
ラッキーイメージングを真面目にやってみたのだが、結果として低輝度部のFWHM=3.0″に対して高輝度部では2.1″で、意図通り解像度はかなり上げられた。40GBのデータと格闘した甲斐はある。一方で、この写真は低輝度部の横縞が目立つ。これはバイアス画像やフラット画像には見られないのでちょっと真面目に調べないといけないのだが、とりあえず対症療法としては2つ考えられるところ。①低輝度部については数分間の露出の画像を使う。②横縞の間隔(16px)よりも大きくディザリングする。次回の撮影で時間があれば、M63について①をやって横縞を消した写真に差し替えるかもしれない。