さんかく座にある大型の銀河。三日月星雲が西の林にかかる位置まで沈んでしまった後、夜明けまでちょっと時間があったのでちょうどいい位置にいたこの銀河を撮ってみた。
まずはさんかく座について。アンドロメダ座の近傍にあって明るい星の少ない秋の夜空では何故か目立つ星座ではあるが、昔からずっと「星を三つ選んだらほとんど三角形になるやんか」と思っている。なんなら「さんかく座」で天球面を充填することさえできるはずだが、そのくせ「特徴的な神話は伝わっていない(Wikipedia)」らしく、この星座を見るたびに「なにがさんかく座やねん」と突っ込んでいる。
そのさんかく座の主要な見どころがこの銀河(M33)である。この銀河は300万光年の彼方にあり、我々の銀河系(天の川銀河)やアンドロメダ銀河とともに局部銀河群を構成している。これらの銀河は互いに重力で引き合っているため天の川銀河とアンドロメダ銀河は約40億年後に衝突すると予想されているが、さんかく座銀河も同時期に衝突する可能性があるらしい。300万光年を40億年、速いんだか遅いんだか最早よく分からない。
2021/8/11撮影、兵庫県中部。C11@F7.5 + 6D改(HKIR) + ATLUX、フィルタなし、ガイド鏡+M-GENガイド、1min × 60subs = 1h。この銀河は昨年にStar71(f=350mm)で撮っているが、やはりC11(f=2100mm)だと絵の力が違う。解像度はFWHM=2.3″で比較的良い。バックフォーカス調整が不十分なので写野周辺でコマあり。ガイド鏡方式でのガイドだが、三日月星雲とは打って変わって流れが少なく、やはりガイド鏡との視線方向の相対変化量は姿勢にかなり依存するように思える。どちらも赤緯+30°あたりの天体だが、三日月星雲はtelescope eastで撮ったのに対してM33はtelescope westだったのが効いているのだろうか。