天の川銀河 北側バルジ暗黒帯

わが天の川銀河の中心付近で、星座としてはさそり座・いて座・へびつかい座あたり。渦巻き銀河の中央部の膨らみをバルジというが、我が天の川銀河の北側バルジには暗黒帯がよく発達している。ここは広角レンズで撮るとちょっと気味悪く写るあたりなのだが、そこに中望遠レンズで寄ってみた。

とにかくモヤモヤしていて「煙の写真?」みたいな感じだが、奥行き方向の配置をイメージしながら眺めると良いかもしれない。まず背景が天の川の恒星による光の帯で、その手前で光を遮っているのが星間ガスや宇宙塵からなる暗黒星雲。それと重なる位置でバラバラと見えている恒星は暗黒星雲よりも手前の星である。

暗黒星雲は周囲より物質の密度が高いので自らの重力で収縮していく傾向があるが、その結果として最終的に恒星が生み出される。地球も生物も構成元素は恒星の核反応で生み出されたものであることを思えば、我々も大元を辿ればこの暗黒星雲から生まれたと言っても過言ではない。

この星野の名所をひとつ。写野中央の少し上寄りに小さなS字形の暗黒星雲があり、その名も「S字状星雲」と呼ばれる。気が向いたら探してみてください。

2022/5/2、岡山県北東部。SWAT350 + Tamron SP 85mm F1.8 Di VC USD/Model F016E @F2.0 + 6D改(SEO-SP4)、20s × 18 = 6min。3時間ほど露出はしていたがダークが全然合っていないためスタックするとスジが出る、のでそれが目立たない6分ぶんだけスタックした。構図的にも左端でM8・M20が切れていたりといまいちだが、サブ機の放置撮影なので拘らないでおこう。

タイトルとURLをコピーしました