おおぐま座にある大型の銀河で、通称「回転花火銀河」。探すのは簡単で、北斗七星の柄の二番目の星(ミザール)から始まるほぼ等間隔の星の連なりを辿ればいい。ただし淡く広がっているため5cmファインダーで見るのは結構きびしい。
M101の形はかなり歪んでいるが、これは近傍にある伴銀河の重力の影響によるものである。またM101には赤いHII領域が多数(ある研究によれば1000個以上)あるが、これも伴銀河の重力に起因しており、重力で星間ガスが圧縮されたために活発な星形成が起こっているらしい(以上Wikipediaより)。一見して無関係な銀河円盤の歪みと多数のHII領域がともに伴銀河の重力に由来するというのはちょっと面白い。こういった例は他の銀河だとM51(子持ち銀河、写真集~2017年 ご参照)でも見られる。
銀河の渦巻きというのはずっと同じ星からなるわけではない。よくある例えだと銀河円盤内を運動する物質が道中ときどき遭遇する交通渋滞のようなもの(密度波)らしい。 M101では物質は反時計回りに数億年かけて銀河を周回しているが、その途中でしばしば暗黒帯(渋滞)に追いつく。ここでは物質が圧縮されて新たな星の形成が起こっているため、暗黒帯を少し(時間にして500万年ほど)行き過ぎたあたりでは新たに生まれた高温高輝度のO・B型星やこれらに励起されたHII領域が輝いており、ここが外界から銀河を見たときの「腕」となる。さらにその先に進むと、生まれた星々の中でも重いO・B型星は~1000万年という短期間で燃え尽きてしまうため、残された軽量級で輝度の低い恒星が輝く領域となる。我々の太陽系も銀河系内でこのような旅をしており、既に20周ほど回っているそうだ。
2022/5/2、岡山県北東部。ATLUX + C11(Starizona SCT corrector LF, F7.5) + 6D改(HKIR)、IDAS LPS-D1、ガイド鏡 + M-GENによるオートガイド。1min × 178 ≒ 3h。この銀河をちゃんと撮ったのは初めてかもしれない。M101はなんというかバサバサした印象の銀河で、個人的にはもっとカチッとした銀河(例えばM81)が好みだからだろう。とはいえ撮ってみると意外に面白いのだが、シーイングが悪かったため解像度はFWHM=3″程度とかなり低い。残念。