ASI1600MM-COOL 備忘録

ASI1600MM-COOLについての技術的なメモ。

bit数とファイルサイズ

出力されるFITファイルは16bitだがADC自体は12bit(=4096階調)なので、出力値は16DN(=4bit)おきの値をとる。16bit(=2Byte)で画素数 4656×3520 ≒16Mpx のデータを出力するからファイルサイズは32MBとなる。

バイアスフレーム

バイアスの出力値はBrightness設定値にほぼ等しく、Giain設定には依存しない。

Gain = 0~300、Brightness = 0~100 DN、入射光なし、積分時間1ms、センサ冷却なし、12bit読出し。

Gainを上げたとき、読出しノイズはe-で見ると減少する。(DNで見ると増加するが。)平均偏差(≠rms)は3.2e-@Gain=0、1.0e-@Gain=300である。(メーカー公表値と同等レベル)

Gain = 0, 100, 200, 300、Brightness =100 DN、入射光なし、積分時間1ms、センサ冷却なし、12bit読出し。測定時のゲイン設定値とユニティゲイン設定値13.9dbとの差分に基づいてDNを電子数に換算。

なお、本稿では単一バイアス画像の出力値の空間変動を読出しノイズとみなしている点に注意。単一バイアス画像における出力値の空間的な変動は、①恒常的なバイアスの空間変動、②読出しノイズによるフレーム毎の変動、のRMSであると考えられるから、単一バイアス画像から②読出しノイズ のみを評価するためには多数のバイアス画像を加算平均したマスターバイアス画像を①とみなして単一バイアス画像から減算し、その後の空間的な変動を計測する必要がある。ところがこうして得られた②読出しノイズは、マスターバイアス減算前の単一バイアス画像における出力値の空間的な変動とほぼ等しい。(例えばマスターバイアス減算の前後で6.68DNと 6.58DN。計測条件:Gain = 300、Brightness = 100 DN、入射光なし、積分時間1ms、センサ冷却なし、12bit読出し。マスターバイアス200枚スタック。)言い換えればこのセンサでは ①恒常的なバイアスの空間変動 は ②読出しノイズ よりも十分に小さいため、②読出しノイズ の評価において無視できる。

ライトフレーム

出力値の増加量と露光量は比例し、FWC=4093 DNで飽和する。(仕様通り)

Gain = 0、Brightness =100 DN、入射光あり、積分時間1~100ms、センサ冷却なし、12bit読出し。

Gain設定値が +20db = ×10倍 増加すると信号量も10倍となる。(仕様通り)

Gain = 0~300、Brightness =100 DN、入射光あり、積分時間1ms、センサ冷却なし、12bit読出し。出力値とバイアス中央値の差をグラフ化。

ダークフレーム

暗電流は 0.01 e-/s @-10℃程度であり、Dark current doubling temp.=5.7 K である。(いずれも仕様通り)

Gain = 139 (unity gain)、入射光なし、積分時間10s、12bit読出し。

フラットフレーム

モノクロセンサにもかかわらずピクセル毎の感度ムラがベイヤーパターンで分布する。

Gain = 0、Brightness =100 DN、入射光あり、積分時間100ms → バイアス減算後の信号量2999DN @12bit、センサ -10℃。

このピクセル毎の感度ムラは1%rel程度である。信号強度が低い領域(実運用でのバックグラウンドレベル)で感度ムラが増加しているように見えるが、これはショットノイズの相対的な増加を見ている可能性があるため要精査。

Gain = 0、Brightness =100 DN、入射光あり、積分時間1~100ms、センサ-10℃、100枚の加算平均。マスターバイアスを減算した画像をベースとして、その中央値を横軸、Convolution (10px) した画像との比の平均偏差を縦軸にとる。(Convolution画像をピクセルごとの感度ムラのないフラット画像とみなす。)

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