りょうけん座の銀河。位置的にはりょうけん座のα(コルカロリ)とβの間くらいで分かりやすく、5cmファインダーでもなんとなく見える。中心核はかなり明るく、その周囲のディスクは渦巻き構造に散らばる赤いHII領域が美しい。さらにその外側には淡いリングが見えるが、これは近年の研究によれば中央のディスクと連続した渦巻きの腕であるらしい。(wikipedia)
2022/4/2、岡山県北部。ATLUX + C11(Starizona SCT corrector LF, F7.5) + 6D改(HKIR)、IDAS LPS-D1、ガイド鏡 + M-GENによるオートガイド。2min × 140 = 4h40min。一晩中粘って撮っただけあって、ある程度満足できる写真だ。珍しい。 風が強い時間帯に赤緯のエラーが大きかったのだが、対策としてはまず防風ネット、次にオートガイドのPゲインを落とせば改善するだろうか。生データの解像度はFWHM=3.5px=2.3″程度でまあまあ。前回M106と同様、銀河の高輝度部は全数スタックのDeconvolution、恒星はFWHM上位25%で解像度を上げているが、このやり方は星の周囲にartifactが出にくくて良い。外側のリングを表現するため中心部の輝度をいくらか落としている。
月刊天文ガイド2022/8入選作。雑誌のフォトコンに応募したのは四半世紀ぶりとなる。おそろしや。大昔も思ったことだが、掲載写真と応募写真を比べると当然ながら応募したものの方が明らかに良い。本作の売りは外側リングや内側ディスク暗黒帯の構造だったのだが、掲載写真では淡い部分や細部構造がかなり失われ、彩度もだいぶ下がっている。そのため掲載写真は同ページの他の銀河の写真と比較しても明らかに地味だ。フォトコンに応募するなら、見どころがはっきり分かる程度に構造・色彩を強調してプリントした方が良さそうだ。