西暦1054年に起こった我が銀河系内の超新星爆発の残骸。その当時、超新星が当時おうし座で明るく輝いた様子は世界中でいくつかの文献に記録されている。爆発した星のガスは約1000年かけて今の形となり、現在も約1000km/sの速さで広がり続けているらしい。この星雲は全体に広がる白っぽい部分(連続光?)から赤いフィラメント(Hα?)がたくさん伸びており、これが「蟹の足っぽく見える」ということなのだが、あまり蟹っぽくはない。と、思う。
この天体、星雲星団の最も著名なリストであるメシエカタログの1番目(M1)にあたる。このカタログは18世紀のフランスの天文学者で彗星ハンターだったシャルル・メシエが作った「彗星に間違えそうな紛らわしいものリスト」だが、今ではアマチュアでも楽しめる大型の星雲星団リストとして知られている。ただ、メシエカタログの天体の順番に特に規則はないので、1番だから何かすごいという訳でもない。
2022/2/27撮影、岡山県東部。ATLUX + C11(F7.5) + 6D改(HKIR)、IDAS LPS-D1、1min × 90 = 1h30min、ガイド鏡+M-GENによるオートガイド。