三日月星雲 NGC6888

はくちょう座の中心 γCyg(サドル)の近傍にある星雲で、5000光年彼方の大きさ25光年のガス塊である。三日月星雲と呼ばれてはいるが、他にもクラゲか、エイか、脳味噌か、肋骨か、これほどイメージを掻き立てる星雲も珍しいだろう。

この星雲を形作るガスは、中心部に見えている明るい恒星が放出したものである。この星はウォルフ・ライエ星(WR星)と呼ばれるタイプで、太陽質量の25倍を超える重量級の星が寿命の末期に外層のガスを吹き飛ばして高温の内部が露出した状態である。三日月星雲ではこの恒星風が周囲のガスに衝突することで複雑な形を生み出していると考えられている。重量級の星の宿命として、この星もいずれは超新星爆発を起こす運命にある。

2021/8/10-11撮影、兵庫県中部。C11@F7.5 + 6D改(HKIR) + ATLUX、IDAS NBZフィルタ、ガイド鏡+M-GENガイド、2min × 27subs + 1min × 41subs ≒ 1.5h。FWHM=2.8″で悪くはない。ガイド鏡方式でのガイドは運用が楽でいいが、ガイドエラーが大きくて1枚あたり露出時間を伸ばせずノイズの多い画像となった。

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